2006年 11月 12日
通訳・翻訳に関わる本――日本語の本で学ぶ |
英語学習のモチベーションを高める読み物ということでは、本書の各所に登場するさまざまな本の中に読者の興味に合うものがあると思いますが、ここでは趣向を変えて通訳・翻訳に関わる読み物を紹介します。中には、読者の民際英語学習の刺激になるものがあると期待して。
まずは米原万里。最近、急逝したロシア語通訳者ですが、エッセイストとしても活躍していました。『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』(新潮文庫)は、通訳を素材にしたエッセイとしては絶品です。米原万里はちょっと下品な小話の天才でしたが、同じユーモアということで言えば、同時通訳者の草分け、村松増美の『だから英語は面白い――会話上手はユーモアから』(PHP文庫)があります。
通訳者を主人公にした小説もあります。いずれも吉村昭の作品。『海の祭礼』(文藝春秋)、『黒船』(中公文庫)。江戸時代の通訳者(当時の言葉で言うと通詞)の苦闘と矜持が伝わってきます。歴史小説としても十分に楽しめます。もし通訳の歴史を簡便に知りたいなら、これも第1世代の同時通訳者、小松達也が書いた『通訳の英語 日本語』(文藝春秋)がお勧め。
第1世代の同時通訳者で忘れてはならないのが西山千。いろいろといい本を出しているのですが、ほとんど絶版。手軽に読めるものということでは、『同時通訳おもしろ話』(西山千・松本道弘著、講談社+α)があります。へなちょこ通訳者の私は、西山先生の誤訳話に心が洗われました。この本のもう1つよかった点。「通訳をする人」のことは「通訳」ではなく「通訳者」と呼びましょうと言っているところ。「通訳」と言われると、何か呼び捨てにされているようで、ちょっと悲しい。
翻訳関係の読み物では、ノンフィクション翻訳家の泰斗、鈴木主税が対話形式で著したエッセイ、『私の翻訳談義――日本語と英語のはざまで』(朝日文庫)。私が愉快に読ませてもらったのが、『ぼくの翻訳人生』(工藤幸雄著、中公新書)。「外国語の習得には、意地が要る、粘りが要る、不撓不屈の精神が要求される」という工藤の宣言に納得。ちなみに、工藤はこの文に続けて「不撓不屈が読めない諸君は、言葉の才能はない。外国語は諦め、せめて自分の日本語に磨きを掛けたまえ」と書いています。「ふぎょうふくつ」と読んだ私はギクッ。
まずは米原万里。最近、急逝したロシア語通訳者ですが、エッセイストとしても活躍していました。『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』(新潮文庫)は、通訳を素材にしたエッセイとしては絶品です。米原万里はちょっと下品な小話の天才でしたが、同じユーモアということで言えば、同時通訳者の草分け、村松増美の『だから英語は面白い――会話上手はユーモアから』(PHP文庫)があります。
通訳者を主人公にした小説もあります。いずれも吉村昭の作品。『海の祭礼』(文藝春秋)、『黒船』(中公文庫)。江戸時代の通訳者(当時の言葉で言うと通詞)の苦闘と矜持が伝わってきます。歴史小説としても十分に楽しめます。もし通訳の歴史を簡便に知りたいなら、これも第1世代の同時通訳者、小松達也が書いた『通訳の英語 日本語』(文藝春秋)がお勧め。
第1世代の同時通訳者で忘れてはならないのが西山千。いろいろといい本を出しているのですが、ほとんど絶版。手軽に読めるものということでは、『同時通訳おもしろ話』(西山千・松本道弘著、講談社+α)があります。へなちょこ通訳者の私は、西山先生の誤訳話に心が洗われました。この本のもう1つよかった点。「通訳をする人」のことは「通訳」ではなく「通訳者」と呼びましょうと言っているところ。「通訳」と言われると、何か呼び捨てにされているようで、ちょっと悲しい。
翻訳関係の読み物では、ノンフィクション翻訳家の泰斗、鈴木主税が対話形式で著したエッセイ、『私の翻訳談義――日本語と英語のはざまで』(朝日文庫)。私が愉快に読ませてもらったのが、『ぼくの翻訳人生』(工藤幸雄著、中公新書)。「外国語の習得には、意地が要る、粘りが要る、不撓不屈の精神が要求される」という工藤の宣言に納得。ちなみに、工藤はこの文に続けて「不撓不屈が読めない諸君は、言葉の才能はない。外国語は諦め、せめて自分の日本語に磨きを掛けたまえ」と書いています。「ふぎょうふくつ」と読んだ私はギクッ。
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