2008年 01月 25日
Not Over My Dead Body |
外国出張中、ホテルの部屋で見たアメリカのTVコメディ・ショーの話。アナウンサーに扮したコメディアンが作り話のニュース風ビデオを紹介する。「このほどハンガリーで犬の鳴き声を翻訳できる機械が発明され、今後この技術がいろいろな分野で応用されることが期待されています」というナレーションが、犬の鳴き声を解析しているシーンとともに流される。そしてシーンが切り替わると、ブッシュ大統領が演説している。
最近はさほど気にならなくなったが、初めての大統領選のときや就任直後、ブッシュ大統領は演説で言葉が出てこなかったり、出てきても噛んだりと、とちることが多かったので、マスコミでよく冷やかされていた。有名なところでは、ユーゴスラビアのミロセビッチを繰り返し噛んで正確に発音できなかった、パキスタンの大統領の名前を言えなかった(ムシャラフ)という話がある。
もうひとつ面白いエピソードは、共和党の減税政策に反対する民主党を批判するときに使った次の言葉。” Not over my dead body will they raise your taxes”
“over my dead body”は「私の屍を越えて」という慣用句で、「私の屍を越えない限り、(民主党に)増税はさせない」ということをブッシュ大統領は言いたかった。“over my dead body”という印象に残る表現を使って、民主党に痛打を加えるはずだった。ところが、勢いあまってか、文頭にnotを付けてしまった。これでは逆の意味になる。「しかばね」どころか「生き身」のまま、民主党に体の上を跨ぎ越えさせることになる。民主党に打撃を加えるどころか、マスコミから言葉を知らないと痛烈な皮肉を返されてしまった。
あのコメディ・ショーの寸劇にスタジオの聴衆が爆笑したということは、ブッシュ大統領の言語表現力は8年前からさほど進歩していないのかもしれない。
最近はさほど気にならなくなったが、初めての大統領選のときや就任直後、ブッシュ大統領は演説で言葉が出てこなかったり、出てきても噛んだりと、とちることが多かったので、マスコミでよく冷やかされていた。有名なところでは、ユーゴスラビアのミロセビッチを繰り返し噛んで正確に発音できなかった、パキスタンの大統領の名前を言えなかった(ムシャラフ)という話がある。
もうひとつ面白いエピソードは、共和党の減税政策に反対する民主党を批判するときに使った次の言葉。” Not over my dead body will they raise your taxes”
“over my dead body”は「私の屍を越えて」という慣用句で、「私の屍を越えない限り、(民主党に)増税はさせない」ということをブッシュ大統領は言いたかった。“over my dead body”という印象に残る表現を使って、民主党に痛打を加えるはずだった。ところが、勢いあまってか、文頭にnotを付けてしまった。これでは逆の意味になる。「しかばね」どころか「生き身」のまま、民主党に体の上を跨ぎ越えさせることになる。民主党に打撃を加えるどころか、マスコミから言葉を知らないと痛烈な皮肉を返されてしまった。
あのコメディ・ショーの寸劇にスタジオの聴衆が爆笑したということは、ブッシュ大統領の言語表現力は8年前からさほど進歩していないのかもしれない。
by homaranisto
| 2008-01-25 16:46
| 英語・通訳