2008年 08月 27日
Uplifters No.21 |
Uplifterとは一言で言えば「人を励ます言葉」。Uplifterが英語史の中で支配者の言葉であったフランス語語源ではなく、それ以前に英語に取り入れらた古ノルド語起源であることを考えれば、そのイメージは歴史上の偉人が発した高尚な名文句ではなく、市井の人々の日常の営みの中から発せられた生ある言葉がふさわしい。そんな「人を励ます言葉」を紹介していきます。『アップリフター』は部落解放・人権研究所の月刊誌『ヒューマンライツ』に連載しているエッセイです。
* * *
No one can make you feel inferior without your consent.
エレノア・ルーズベルト(Eleanor Roosevelt)と言えば、ニューディール時代と第二次世界大戦期にアメリカ大統領を務めたフランクリン・D・ルーズベルトの妻、つまりファースト・レディとして知られています。実は、エレノアは旧姓もルーズベルト。夫のフランクリンは父親の従兄弟であったために姓が変わらなかったのです。ちなみに、ややこしい話ですが、日露戦争終結の調停にあたったセオドア・ルーズベルト大統領も父親の従兄弟、エレノアから見れば叔父に当たります。
これだけですぐ分かりますが、エレノア・ルーズベルトはアメリカ上流社会に属する名家に生まれた女性でした。幼い頃に両親を亡くしますが、一族の庇護のもとで何不自由なく育てられました。10代にはイギリスの学校に留学しています。と言っても、20世紀初めの頃ですから、通ったのはfinishing school(花嫁学校)です。
成人してから、エレノアはルーズベルト大統領の右腕として公民権問題や女性問題で活躍し、戦後は世界人権宣言の起草にかかわるなど、素晴らしい足跡を残す人生をまっとうしました。
こう書くと、豊かな経済力と知的空間の中で伸び伸びと育てられた者として、その社会的責任感そして道徳心から、一生涯献身した爽やかな女性の姿を思い浮かべます。ところが、本人の残した引用句を見ると、周りから認められず苦悶している人を励ます言葉が多いのに驚きます。まるで自分を勇気づけるために書いたような・・・。
それが、今号のアップリフターです。”No one can make you feel inferior unless you consent.”(誰もあなたをダメな人間と思わせることはできない。あなたがそう思わないかぎり)。こんな言葉もあります。”Friendship with oneself is all-important, because without it one cannot be friends with anyone else in the world.”(いちばん大切なことは自分自身と友達になること。そうでなければ、世界中だれとも友達になれません)
人は傷つきやすいものです。とくに自信がないときには。そんなときに心ない言葉を投げつけられると、ますます足がすくんでしまいます。でも、いまのままの自分でいいんだと少しでも納得することができれば・・・。エレノア・ルーズベルトの言葉はそんな魔法の呪文です。「人の言葉は気にしない。自分はダメだとは思わない。ダメという奴がダメな奴」と開き直らせてくれます。「なんにも人に合わせることに神経質にならなくてもいい。自分を大切にしよう。それさえ忘れなければ友達もできる」――エレノアはそう優しく声をかけてくれます。
エレノア・ルーズベルトは、美しかった母親が生まれた娘の容姿が劣ることを嘆いたことに傷つき、自分は「醜い」と感じながら成長していったといいます。また、結婚後、女性問題で夫フランクリン・ルーズベルトに裏切られ精神的打撃を受けます。後世に残されたエレノア・ルーズベルトの言葉が、上から手を差し伸べ行く手を指し示すようなものではなく、読み手と伴走するような一体感をもったものになっているのは、そういう苦悩をエレノアが通り抜けてきたからでしょう。
次の言葉も、エレノアならではのものだと思います。”You gain strength, courage and confidence by every experience in which you really stop to look fear in the face. You are able to say to yourself, ‘I lived through this horror. I can take the next thing that comes along.’”(立ち止まって自分の顔を見つめるほどこわい体験をするたびに、力、勇気、自信がついてきます。そして、こう自分に言えるようになるはずです。「あんな恐ろしいことも切り抜けてきた。こんどもなんとかやれるはず」)
エレノアの死後、その遺徳を讃えて友人の一人は次の言葉を贈りました。”She would rather light a candle than curse the darkness.”(エレノアは暗闇を嘆くより一本のろうそくに火を灯そうとする人だった)。劣等感と向き合いながら、一歩一歩前に進んでいった等身大の女性の姿がそこにはあります。
* * *
No one can make you feel inferior without your consent.
エレノア・ルーズベルト(Eleanor Roosevelt)と言えば、ニューディール時代と第二次世界大戦期にアメリカ大統領を務めたフランクリン・D・ルーズベルトの妻、つまりファースト・レディとして知られています。実は、エレノアは旧姓もルーズベルト。夫のフランクリンは父親の従兄弟であったために姓が変わらなかったのです。ちなみに、ややこしい話ですが、日露戦争終結の調停にあたったセオドア・ルーズベルト大統領も父親の従兄弟、エレノアから見れば叔父に当たります。
これだけですぐ分かりますが、エレノア・ルーズベルトはアメリカ上流社会に属する名家に生まれた女性でした。幼い頃に両親を亡くしますが、一族の庇護のもとで何不自由なく育てられました。10代にはイギリスの学校に留学しています。と言っても、20世紀初めの頃ですから、通ったのはfinishing school(花嫁学校)です。
成人してから、エレノアはルーズベルト大統領の右腕として公民権問題や女性問題で活躍し、戦後は世界人権宣言の起草にかかわるなど、素晴らしい足跡を残す人生をまっとうしました。
こう書くと、豊かな経済力と知的空間の中で伸び伸びと育てられた者として、その社会的責任感そして道徳心から、一生涯献身した爽やかな女性の姿を思い浮かべます。ところが、本人の残した引用句を見ると、周りから認められず苦悶している人を励ます言葉が多いのに驚きます。まるで自分を勇気づけるために書いたような・・・。
それが、今号のアップリフターです。”No one can make you feel inferior unless you consent.”(誰もあなたをダメな人間と思わせることはできない。あなたがそう思わないかぎり)。こんな言葉もあります。”Friendship with oneself is all-important, because without it one cannot be friends with anyone else in the world.”(いちばん大切なことは自分自身と友達になること。そうでなければ、世界中だれとも友達になれません)
人は傷つきやすいものです。とくに自信がないときには。そんなときに心ない言葉を投げつけられると、ますます足がすくんでしまいます。でも、いまのままの自分でいいんだと少しでも納得することができれば・・・。エレノア・ルーズベルトの言葉はそんな魔法の呪文です。「人の言葉は気にしない。自分はダメだとは思わない。ダメという奴がダメな奴」と開き直らせてくれます。「なんにも人に合わせることに神経質にならなくてもいい。自分を大切にしよう。それさえ忘れなければ友達もできる」――エレノアはそう優しく声をかけてくれます。
エレノア・ルーズベルトは、美しかった母親が生まれた娘の容姿が劣ることを嘆いたことに傷つき、自分は「醜い」と感じながら成長していったといいます。また、結婚後、女性問題で夫フランクリン・ルーズベルトに裏切られ精神的打撃を受けます。後世に残されたエレノア・ルーズベルトの言葉が、上から手を差し伸べ行く手を指し示すようなものではなく、読み手と伴走するような一体感をもったものになっているのは、そういう苦悩をエレノアが通り抜けてきたからでしょう。
次の言葉も、エレノアならではのものだと思います。”You gain strength, courage and confidence by every experience in which you really stop to look fear in the face. You are able to say to yourself, ‘I lived through this horror. I can take the next thing that comes along.’”(立ち止まって自分の顔を見つめるほどこわい体験をするたびに、力、勇気、自信がついてきます。そして、こう自分に言えるようになるはずです。「あんな恐ろしいことも切り抜けてきた。こんどもなんとかやれるはず」)
エレノアの死後、その遺徳を讃えて友人の一人は次の言葉を贈りました。”She would rather light a candle than curse the darkness.”(エレノアは暗闇を嘆くより一本のろうそくに火を灯そうとする人だった)。劣等感と向き合いながら、一歩一歩前に進んでいった等身大の女性の姿がそこにはあります。
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
すごく励まされますね(^oo^)
ここのところ私も自分に自身をなくしたり、また取り戻したり、人と比べても仕方がないのに比べてしまったり、自分がちっとも進歩していないような気がしたり・・・そんな繰り返しだったので、この言葉は心にしみました。ありがとうございます(^oo^)
ここのところ私も自分に自身をなくしたり、また取り戻したり、人と比べても仕方がないのに比べてしまったり、自分がちっとも進歩していないような気がしたり・・・そんな繰り返しだったので、この言葉は心にしみました。ありがとうございます(^oo^)

