夏休みの読書の一冊に、ぜひこれを |
外国語の学習にはモチベーションがいる。ふつう外国語を学び始める人は、その言葉と結びついたファッションとか映画とか歴史とかに引かれる。人工語のエスペラントはそこが弱い。これがモチベーションを減ずる。私もそうだった。では、エスペラントのイメージはどのようにつくられるのか。次は田中の言葉。
「おそらくエスペラントを学んだり話したりする人からではなかろうか。たぶんあの人がエスペラントをやっているらしいと聞けば、その人が代表してエスペラントのイメージをつくる。そうなると、エスペラントを学ぶ人は、どこか魅力のある人であってほしいし、また、学ぶことによってそうなってほしい」
ここを読んで、私はがぜんエスペラント学習のパワーが湧いた。私にとってエスペラントを代表する人のイメージは、エロシェンコ・巴金・高杉一郎。3人のように高潔な人物にはなれないけど、3人の人格形成の柱となったエスペラントを勉強することで、少なくとも3人が通った道の轍を踏みしめながら、ヨタヨタと歩き始めることができるように思わせてくれる。田中先生に感謝。